口腔機能低下症の7項目検査|3項目以上で診断されます

口腔機能低下症は、食べる・話す・飲み込むといったお口の働きが少しずつ弱くなる状態です。7つの項目を検査し、3項目以上が該当すると診断されます。それぞれの検査で何を、どの数値で判断するのかをご説明します。
この記事の要点
- 口腔機能低下症は7項目のうち3項目以上の該当で診断されます
- 検査項目には舌圧30kPa未満、残っている歯が20本未満など具体的な基準があります
- 「パ・タ・カ」の発音回数や舌を9分割した舌苔の付き方も調べます
- 2018年に保険が使えるようになった検査で、費用の壁がありません
- 早く見つけて対応すれば、機能の維持・改善が期待できる段階です
口腔機能低下症とは
口腔機能低下症は、加齢や病気の影響で、お口の複数の働きが少しずつ低下していく状態を指します。「オーラルフレイル(お口の衰え)」が進んだ段階として位置づけられ、2018年から保険で検査・管理ができるようになりました。
むし歯や歯周病のように「痛い」「腫れた」という自覚症状が出にくいため、ご本人もご家族も気づかないうちに進むことがあります。だからこそ、数値で確かめる検査に意味があります。
放置すると、しっかり噛めない・飲み込みにくいことから食事の量や栄養が偏り、全身の衰え(フレイル)につながることが知られています。
7項目の検査と診断基準
| 検査項目 | 調べること | 該当とみなす目安 |
|---|---|---|
| 口腔衛生状態不良 | 舌の表面を9つに分け、舌苔(ぜったい)の付き方を確認します | 舌苔の付着が多い |
| 口腔乾燥 | お口の中の潤い(唾液の量)を測ります | 基準を下回る乾燥がある |
| 咬合力(こうごうりょく)低下 | 噛む力、または残っている歯の数を確認します | 動揺度3の歯と根だけの歯を除いた歯が20本未満 |
| 舌口唇運動機能低下 | 「パ」「タ」「カ」を繰り返し発音し、1秒あたりの回数を数えます | いずれかが1秒あたり6回未満 |
| 低舌圧(ていぜつあつ) | 舌を上あごに押し付ける力を専用の器具で測ります | 最大舌圧が30kPa未満 |
| 咀嚼(そしゃく)機能低下 | 噛んで食べ物を細かくする力を確認します | 基準を下回る |
| 嚥下(えんげ)機能低下 | 飲み込む力を質問票などで確認します | 基準を下回る |
7項目のうち3項目以上が該当すると、口腔機能低下症と診断されます。
それぞれの検査は、痛みを伴わず短時間で行えるものがほとんどです。専用の器具(舌圧測定器など)や質問票を用います。
特に数値がはっきりしている項目
低舌圧(舌の力)|30kPa未満
舌を上あごに押し付ける力を測ります。最大舌圧が30kPa(キロパスカル)未満だと低舌圧と判断されます。舌の力は、食べ物をまとめて喉へ送る・飲み込むといった動作に関わります。
咬合力(噛む力)|残っている歯が20本未満
噛む力そのものを測るほか、動揺度3(歯周病で大きくぐらつく歯)と、根だけになった歯を除いて、残っている歯が20本未満だと咬合力低下と判断する方法があります。
舌口唇運動機能|1秒あたり6回未満
「パ」「タ」「カ」をそれぞれ繰り返し発音し、1秒あたりの回数を数えます。「パ」は唇、「タ」は舌の前方、「カ」は舌の奥の動きを表します。いずれかが1秒あたり6回未満だと機能の低下を疑います。滑舌の衰えとして表れる部分です。
検査を受けたほうがよい方
次のようなサインに心当たりがある方、そのご家族は、検査を受ける目安になります。
- 硬いものが食べにくくなった
- 食事のときにむせるようになった
- 食べこぼしが増えた
- 滑舌が以前より悪くなった気がする
- 口がよく乾くようになった
- 薬を飲み込みにくくなった
- 食事に時間がかかるようになった
これらの初期サインについては オーラルフレイルの初期症状|見逃されやすい8つのサイン で詳しく解説しています。
検査・管理は保険が使えます
口腔機能低下症の検査(口腔機能精密検査)と、その後の管理は健康保険が適用されます。費用は診療報酬点数に基づいて計算されます。
診察のうえ検査を行い、3項目以上に該当した場合は、管理計画を立てて口腔機能の維持・改善を目指します。管理の流れは 口腔機能低下症の管理は保険適用|検査から訓練までの流れ をご覧ください。
当院での検査について
当院は鹿児島県鹿児島市吉野町3073-140にあります。鹿児島駅から車で約15分です。診療時間は月〜金の9:00〜12:30/14:00〜18:00、土曜は9:00〜12:30です(日曜・祝日・土曜午後・水曜午後は休診)。
「食事でむせる」「滑舌が気になる」といったお悩みは、ご本人だけでなくご家族が気づかれることもあります。ご心配な点があれば、まずご相談ください。
※ 記載の期間・回数・費用は目安です。お口の状態や全身の状態により異なり、実際の治療方針は診察のうえ判断いたします。
よくあるご質問
- 口腔機能低下症はどうやって診断されますか?
- 7つの検査項目(口腔衛生状態不良・口腔乾燥・咬合力低下・舌口唇運動機能低下・低舌圧・咀嚼機能低下・嚥下機能低下)のうち、3項目以上が該当すると診断されます。舌圧30kPa未満や、残っている歯が20本未満といった具体的な基準があります。
- 口腔機能低下症の検査に保険は使えますか?
- はい。口腔機能低下症の検査(口腔機能精密検査)と管理は、2018年から健康保険が適用されています。費用は診療報酬点数に基づいて計算されます。正確な金額は診察のうえご案内します。
- 痛みがないのに検査を受ける意味はありますか?
- 口腔機能低下症は自覚症状が出にくく、気づかないうちに進むことがあります。早い段階で見つけて対応すれば、機能の維持・改善が期待できます。むせる・食べこぼす・滑舌が悪くなったなどのサインがあれば検査の目安になります。
出典
※ 本記事の掲載内容は一般的な情報です。症状や適応には個人差があり、実際の治療方針は診察のうえ判断いたします。費用は2026-09-01時点の税込金額です。
※ 点検日(2026-10-01)は、記事の内容(制度・費用・リンクなど)に変更がないかを確認した最新の日付です。内容に実質的な変更があった場合は最終更新日を更新します。
食事や滑舌に気になる変化がある方は、まず検査をご検討ください。保険で受けられます。
- 所在地
- 〒892-0871 鹿児島県鹿児島市吉野町3073-140
- 電話番号
- 099-244-1601
- アクセス
- 鹿児島県鹿児島市吉野町3073-140/鹿児島駅から車で15分
- 診療時間
- 月〜金 9:00〜12:30 / 14:00〜18:00、土 9:00〜12:30
- 休診日
- 日曜・祝日・土曜午後・水曜午後


