食事でむせるようになったら|嚥下機能低下と誤嚥性肺炎

食事のときに「むせる」ことが増えてきたら、飲み込む力(嚥下機能)が弱くなっているサインかもしれません。むせは、食べ物や唾液が気管のほうへ入りかけたときに、体が押し返そうとする反応です。放置せず、原因を確かめることが大切です。
この記事の要点
- むせは食べ物や唾液が気管に入りかけたときの防御反応です
- 飲み込む力の衰え(嚥下機能低下)は口腔機能低下症の検査項目の一つ
- むせずに気管へ入る「不顕性誤嚥」があり、むせない=安心ではありません
- 誤嚥に口の中の細菌が加わると誤嚥性肺炎につながります
- お口を清潔に保つこと・飲み込みの力を保つことが予防になります
「むせる」とは何が起きているのか
食べ物や飲み物は、通常は喉から食道へ送られます。ところが飲み込む力やタイミングが乱れると、気管(空気の通り道)のほうへ入りかけてしまうことがあります。これを誤嚥(ごえん)といいます。
むせは、この誤嚥を体が察知して、咳で押し返そうとする防御反応です。むせること自体は、体が守ろうとしている証拠でもあります。問題は、むせが増えること、そして「むせずに入ってしまう」ことです。
むせないから安心とは限りません
むせる力そのものが弱くなっている方のほうが、かえって注意が必要な場合があります。「最近むせなくなった」ことが、必ずしも改善を意味しないのはこのためです。
むせるようになる原因
- 飲み込む力(嚥下機能)の低下 — 加齢や筋力の衰えで、飲み込むタイミングがずれます
- 舌の力の低下(低舌圧) — 食べ物を喉へ送りきれません(低舌圧について)
- 唾液の減少 — 食べ物がまとまりにくくなります
- 噛む力の低下 — 十分に噛めず、大きいまま飲み込むことに
- 全身の病気やその後遺症
- 早食い・ながら食べ — 姿勢や集中の乱れも一因になります
嚥下機能の低下は、口腔機能低下症の7項目の検査で確認できます(検査の内容)。
誤嚥性肺炎との関係
誤嚥そのものよりも注意したいのが、誤嚥に口の中の細菌が加わったときに起こる誤嚥性肺炎です。
気管へ入った食べ物や唾液に細菌が含まれていると、それが肺で炎症を起こすことがあります。高齢の方では、入院や体力低下のきっかけになることが知られています。
だからこそ、お口を清潔に保って細菌を減らすことと、飲み込む力を保つことの両方が予防につながります。歯周病と全身の関係については 歯周病と全身の健康 でも触れています。
受診の目安と工夫
受診をおすすめする目安
- 食事のたびにむせる
- 水やお茶など、さらっとした液体でむせやすい
- むせて食事が進まない、食事量が減った
- 発熱を繰り返す、痰が増えた
- 体重が減ってきた
ご家庭でできる工夫
- 姿勢を正し、やや前かがみで飲み込む(顎が上がると誤嚥しやすくなります)
- ひと口を小さく、ゆっくり食べる
- 「ながら食べ」を避け、食事に集中する
- 食後すぐに横にならない
- お口を清潔に保つ
※ 記載の期間・回数・費用は目安です。お口の状態や全身の状態により異なり、実際の治療方針は診察のうえ判断いたします。
よくあるご質問
- 食事でむせるのはなぜですか?
- 飲み込む力やタイミングが乱れ、食べ物や唾液が気管のほうへ入りかけたときに、体が咳で押し返そうとする反応がむせです。加齢による嚥下機能の低下、舌の力の低下、唾液の減少などが原因になります。
- むせなくなったので改善したと考えてよいですか?
- 必ずしもそうとは限りません。むせる反応が起きないまま気管へ入る不顕性誤嚥があり、むせる力そのものが弱くなっている場合もあります。むせが減っても、食事量の減少や発熱の繰り返しがあれば受診をおすすめします。
- むせと肺炎は関係がありますか?
- あります。気管へ入った食べ物や唾液に口の中の細菌が含まれていると、肺で炎症を起こす誤嚥性肺炎につながることがあります。お口を清潔に保って細菌を減らすことと、飲み込む力を保つことの両方が予防になります。
出典
※ 本記事の掲載内容は一般的な情報です。症状や適応には個人差があり、実際の治療方針は診察のうえ判断いたします。費用は2026-09-01時点の税込金額です。
※ 点検日(2026-10-01)は、記事の内容(制度・費用・リンクなど)に変更がないかを確認した最新の日付です。内容に実質的な変更があった場合は最終更新日を更新します。
むせが続く方、ご家族のむせが気になる方は、まずご相談ください。飲み込みの状態を確認します。
- 所在地
- 〒892-0871 鹿児島県鹿児島市吉野町3073-140
- 電話番号
- 099-244-1601
- アクセス
- 鹿児島県鹿児島市吉野町3073-140/鹿児島駅から車で15分
- 診療時間
- 月〜金 9:00〜12:30 / 14:00〜18:00、土 9:00〜12:30
- 休診日
- 日曜・祝日・土曜午後・水曜午後


